夢、かなえたい
「全国労保連」2007年1月号掲載
お風呂上り。洗い髪にパジャマ姿。身体を締めつけるものが何もない心地良さだけで、開放感に満たされる。さあ、今夜は何にしようかな。その日の気分で選ぶのは日本酒であったり、焼酎であったり、また今凝っているのは紹興酒。ソファーに座り、みるともなくテレビ画面に目を向けて、ゆったりと飲み始める。仕事に区切りがつき、明日は取材も収録も何もないという夜に、一人杯を傾けることがある。一人でお酒を飲むなんてことは絶対にないわという友人もいるが、私は、月に何回かあるこんなひとときが、こよなく楽しい。道連れは空想の世界。もしああだったらこうだったらと、想像を膨らませるネタは尽きない。もちろん、いいようにしか想像しないから、私の人生は幸せ一杯に膨らんでいく。しかし、最近、それはかなり現実的な内容に変わってきた。
私は気の合う友人たちと共に家を建て、そこで地域活動をしたいと考えている。多くの人の老後の心配は、介護が必要になったらどうしようということ。もちろん私にだってその心配はある。ただそれよりも、介護が必要になるまでの間、どのように生き生きと暮らすかということの方が重要だと考えている。
今年から団塊の世代の地域デビューが始まる。世間はそれを男性の問題ととらえている様だが、女性だって同じである。多くの女性が働きつづけてきており、地域になじみがない。気の合う仲間と一緒に、これまでの経験を生かして何か地域に還元したい。友人たちと、思いは一致した。長いこと働いてきた仲間は皆、適度に距離をおいたつきあい方を身につけている。放送局、新聞社、福祉関係者、心理カウンセラー、薬剤師、編集者などなどバラエティに富んでおり、地域活動する時のアイディアには事欠かないだろう。
問題は土地の確保。これまで何か所、土地を見に行ったことか。しかし帯に短したすきに長しで、ここで良しと満足できる所は、いまだ見つかっていないのである。最も私たちの要求が、あまりに虫のいいことばかりなのだ。駅の近くで庭も駐車場もつくれること、おまけに上限の額が決まっている、など。
にもかかわらず深夜の一人酒の空想では、夢が実現しているのである。ミニコンサートや朗読会、お年寄りを招いてのお茶会、私たちの企画に地域の人たちが集い、ささやかだが温かい交流がそこに生まれている。
飲むほどにもうろうとしてくる頭に、いつしか現実か夢かわからぬような世界が出来上がり、(もう一杯飲もうかな)(今夜はもう十分)(でも、もう一杯いいんじゃない)と、一人会話が弾んで、お開きとなる。
今年もまた、ちょ突猛進の土地探し。必ず、この夢実現させると願って。