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往復書簡

医師、作家 米山 公啓さん

米山公啓さま

まあ〜、しばらくご無沙汰をしておりましたら、先生は海外取材に出かけてしまわれたようですね。何の取材ですか。今日はどこにおられるのでしょうか。
今日12月8日は、私の「手術記念日」です。大腸ガンの手術から4年たちました。手術日が決まった時、担当の看護師さんに「あら、開戦記念日ね」と言いましたら、「はあ〜?」と怪訝そうな顔をされてしまいました。患者の担当は、私で二人目という若い看護師さんでしたので無理もありませんが、高齢社会においては医療や福祉に携わる専門職は現代史を勉強する必要がありますね。その看護師さん、私が退院した後このホ−ムペ−ジを見つけて、メ−ルを下さいました。現場を離れて教職についたとのこと。思わぬ出会いで、嬉しいことでした。
私は暮らしの中で「○○記念日」とつけるのが好きで、1年を通して自分だけの記念日がいろいろあります。かつて政策減税が行なわれた時、某かの税金が戻ってきたので「減税記念」として指輪を買いました。「減税記念、減税記念」と浮かれていたら、皆から顰蹙をかってしまいました。手術記念日は、年2回あります。もう1日は8月3日。この日は股関節の手術をした日です。「あれから××年たつんだな」と意識することによって、暮らしの暴走に歯止めがかかります。私的記念日もいいものですよ。
カレンダ−も残り1枚となり、新しいカレンダ−や手帳が届き始めました。まだ一部ではありますがデジタル放送も開始され、放送に携わる者の一人としてことのほか時代の変わり目を実感します。しかし季節のうつろいは、今年は遅いですね。昨日、一昨日と箱根に出かけましたが、例年だとそろそろ冬枯れですのに、まだ十分紅葉を楽しめました。
では海外取材報告など、楽しみにしています。

村田幸子 2003年12月8日

村田幸子さま

お元気ですか
いまドイツのドナウ川クルーズから戻りました。いやー想像以上に寒かったです。私が大げさな防寒服を着ていたら、同乗していた、アメリカ人に笑われてしまいました。
彼らの皮膚の温度感覚の違いにはいつも驚かされますが、さすがに、今回はみなさんそれなりの装備で参加でした。冬場はリバークルーズは行われていなかったのですが、オーストリアとドイツ各地のクリスマスマーケットを見ながら川のクルーズを楽しむという、新しいスタイルの旅行でした。
クリスマスマーケットはまるで、だるま市とか、羽子板市の感じで、寒い日を楽しく過ごそうという、住民の気持ちが伝わってきます。
ニュールンベルグでは第二次世界大戦で街の9割が破壊されたといいますが、非常に綺麗にうまく復興ができています。石という素材は新しくても、古い(当たり前ですが)ので、新築のアパートもすぐに街になじんでいるようです。
フランスでも感じたことですが、日本のように戦争で破壊されて、まったく新しい都市を造ってきた国と昔のままを保存、改修して都市を保ってきた国の違いを感じます。
最近は、日本の都市も結構面白いじゃないかと思うようになりました。高層ビルの林立があって、隣にはまだ古い木造一軒家がある、これぞ日本の姿のように思います。
いつも歩くことが少ない生活ですが、クルーズにいくとゆったりというより、本当に1日歩き回ります。最近は、ますます歩くことの医学的重要性が、証明されてきました。私はクルーズに行ったとき、のんびりではなく、「歩き回るクルーズ」に徹しています。
インフルエンザはまだ流行してませんが、うがいと手洗いでまずは感染予防ですね。
   ではまた。

米山 公啓 2003年12月15日

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